やりすぎない、低侵襲治療
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- STEP 1診断と状態確認
- まずは、レントゲンやCT、マイクロスコープなどを用いて、歯の割れ方や状態を詳細に把握します。
このケースでは、歯がまっ二つに縦に割れており、通常であれば抜歯が避けられない状態でした。
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- STEP 2割れた歯の固定と止血滅菌
- 割れた歯の隙間を最小限にするため、矯正用の細いワイヤーを用いて、割れた歯の断面を丁寧に縛り、元の位置に戻します。
そして、割れたことによって生じた出血部位は、歯科用レーザー(炭酸ガスレーザー)を照射し、止血と同時に徹底的な滅菌処理を行います。
レーザーの特性を活かすことで、周囲組織へのダメージを最小限に抑えながら、感染リスクを大幅に低減します。
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- STEP 3強固な接着と固定
- 歯の固定には、「スーパーボンド」という非常に強力な歯科用接着剤を使用します。
このスーパーボンドは、ワイヤーごと割れた歯を強力に固定し、歯の再結合を促します。
接着歯学の技術を最大限に活用することで、再破折のリスクを低減し、歯の安定性を高めます。
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- STEP 4最終的な補強と審美性の回復
- 接着剤で固めた上から、さらに強度を保つための被せ物を装着します。
患者さんのご希望と口腔内の状態に合わせて、保険適用内の銀歯から、保険適用外ではありますが、より自然で美しい白い歯(セラミックなど)を選ぶことも可能です。

「歯医者さんって、なんだか怖いな」
「すぐに歯を削られちゃうのかな」
「治療は痛い、怖い」
もしかしたら、過去の治療経験から、そう思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、当院がこだわり続けているのは、そのような従来の歯科治療のイメージを覆し、患者さんの歯を最大限に守り、身体への負担を最小限に抑える治療、「低侵襲治療」です。
このページでは、ご自身の歯を最大限に守りながら、身体への負担を最小限に抑える、ひろ歯科の低侵襲治療について詳しくご紹介させていただきます。
低侵襲治療は、あなたの歯を守る「優しい」治療

ひろ歯科が基本方針とする「低侵襲治療」とは、単に「削らない」ということではありません。
それは、「必要な治療を、なるべく身体へのダメージが少ない方法で行う」という、患者さんのお身体、そして歯の健康を第一に考えた治療哲学です。
私たちは、一度削ってしまった歯は二度と元には戻らないという事実を深く認識しています。
だからこそ、虫歯や歯周病、その他のトラブルに対して、歯をできる限り削らず、神経を抜かず、そして極力歯を抜かずに、生まれ持ったご自身の歯を最大限に活かすことを目指しています。
この方針のもと、私たちは日々の診療において、以下の点に徹底的にこだわっています。
削る範囲の最小化
必要最小限の範囲だけを丁寧に削り、健康な歯質を極力残します。
治療手順の厳選
歯への負担が少ない、最適な治療手順を症例ごとに選択します。
材料選びのこだわり
身体に優しく、耐久性の高い歯科材料を厳選して使用します。
痛みの軽減への配慮
可能な限り痛みを抑え、患者さんが安心して治療を受けられるよう努めます。
先端技術と精密な手技で、歯の未来を守る

低侵襲治療を具現化するために、ひろ歯科ではMTAセメントによる神経保存治療をはじめ、レーザー治療、エアアブレーション(風圧でのむし歯除去)など、先端技術を積極的に導入しています。
これらの技術を、院長の長年の経験に裏打ちされた正確な診断と繊細な手技と組み合わせることで、優しさと確実性を兼ね備えた治療を実現しています。
私たちは、患者さんの歯を「長く」「健康に」「美しく」保つために、一つひとつの処置に真心を込めて取り組んでいます。
抜かなければならない「崖っぷちの歯」を救う!〜ひろ歯科の腕の見せ所〜
「もうこの歯は抜くしかない…」と診断された経験はありませんか?
虫歯が進行しすぎている、歯が大きく割れてしまっている、歯周病が重度であるなど、従来の歯科治療では「抜歯」が避けられないと判断されるケースは少なくありません。
しかし、ひろ歯科では、そうした「崖っぷちの歯」に対しても、安易に抜歯を選択せず、低侵襲なアプローチで「抜かないで治す」ことを追求しています。
もちろん、全ての歯を救えるわけではありませんが、当院の知識、技術、そして設備を最大限に活用し、患者さんの大切な歯を残すことに全力を尽くします。
これは、院長である私が長年培ってきた外科的知識と接着歯学の技術、そして最新の医療機器が融合することで初めて可能となる、ひろ歯科の「腕の見せ所」でもあります。
他院で抜歯を勧められた方も、ぜひ一度、当院にご相談ください。
可能性を探り、最善の選択肢をご提案させていただきます。
【症例紹介】「割れている歯」を抜かずに残す技術
近年、歯を失う原因は、虫歯や歯周病に加えて、「歯の破折(割れること)」が増加しています。
これは、歯ぎしりや食いしばりといった、ストレス社会と深く関係する生活習慣が原因であることが多いと言われています。
通常、まっ二つに割れてしまった歯は、抜歯以外の選択肢がないとされてきました。
しかし、ひろ歯科では、このような困難なケースにおいても、歯を残すための低侵襲治療に挑戦しています。
実際に当院で行った治療例をご紹介しましょう。
まっ二つに割れた歯を「抜かずに」治療したケース
このように、ひろ歯科では、従来の常識では抜歯とされていた症例に対しても、諦めることなく、積極的に歯を残すための治療に取り組んでいます。
患者さまからは「抜かずに治療できて本当に嬉しい」「自分の歯が残せてよかった」というお喜びの声を多数いただいております。
低侵襲治療を支える「ひろ歯科」の設備と技術
ひろ歯科の低侵襲治療は、院長の専門知識と経験、そして最新の医療設備が一体となることで実現されています。
ここでは、当院が誇る主な設備と、それを支える技術についてご紹介します。
歯科用レーザー(炭酸ガスレーザー):痛みを抑え、治癒を促進する「光のメス」

当院では、高精度な炭酸ガスレーザーを導入しています。
レーザー治療は、従来の切削器具とは異なり、熱による蒸散作用や殺菌作用を利用して治療を行います。
当院では、患者さんの状態に合わせて、レーザー治療を積極的に取り入れ、より優しく、より効果的な治療を提供しています。
特徴とメリット
痛みの軽減
従来の治療に比べて、痛みや出血が少ないため、麻酔の使用量を減らせる、あるいは麻酔なしで治療できるケースもあります。
組織への負担が少ない
周囲の健康な組織へのダメージを最小限に抑えながら、ピンポイントで治療が可能です。
殺菌・消毒効果
レーザーの光が、細菌を殺菌し、炎症を抑える効果があるため、歯周病治療や根管治療において感染リスクを低減し、治癒を促進します。
止血効果
出血を瞬時に抑えることができるため、外科処置や抜歯後の止血にも有効です。
治癒の促進
レーザーの熱作用により、組織の再生を促し、傷の治りを早める効果が期待できます。
う蝕治療への応用
軟組織だけでなく、むし歯の治療にも積極的に活用しています。
特に、むし歯になった歯質をピンポイントで蒸散させたり、接着処置の前に歯面を滅菌・乾燥させたりすることで、治療の精度と接着力を高めます。
これは、当院院長が長年研究し、実績を積み重ねてきた分野です。
接着歯学技術:歯を「削らず」「守る」精密な技術

接着歯学とは、歯科材料を歯にしっかりと接着させることで、歯を削る量を最小限に抑え、天然歯を最大限に保存することを目的とした学問分野です。
接着歯学は、まさしく低侵襲治療の中核をなす技術です。
当院ではこの技術を最大限に活かして、患者さんの歯の健康と美しさを守っています。
特徴とメリット
健康な歯質の保存
従来の詰め物や被せ物の治療では、外れにくくするために健康な歯質を大きく削る必要がありましたが、接着技術を用いることで、削る範囲を最小限に抑えることができます。
修復物の長寿命化
歯と修復物が一体となるため、隙間からの細菌の侵入を防ぎ、二次的な虫歯のリスクを低減します。
これにより、修復物の寿命が延び、再治療のリスクを減らすことができます。
歯の強度回復
接着によって、歯の残った部分の強度を補強し、歯が割れるリスクを軽減します。
審美性の向上
自然な色合いの材料を、目立たないように精密に接着することで、審美性の高い仕上がりを実現します。
MTAセメントによる神経保存
虫歯が深く、神経に近い場合でも、MTAセメントという生体親和性の高い特殊なセメントを用いて神経を保護し、神経を抜かずに歯を残す治療を積極的に行っています。
エアーアブレイジョン:風の力で優しくむし歯を除去

エアーアブレイジョンは、微細な粉末と空気圧を使って、初期のむし歯だけを削る装置です。
非常に細かな粒子を高圧の空気で噴射し、むし歯の部分のみを削り取ります。
高速のタービンを使わないため、歯を削る量が少なく、振動や音も軽減されます。
痛みが少なく、麻酔がいらないことも多いこの方法は、歯にも心にもやさしい治療法です。
当院では、このエアーアブレイジョンを積極的に取り入れ、患者さんの身体への負担を最小限に抑えながら、丁寧なむし歯治療を行っています。
特徴とメリット
痛みや不快感が少ない
タービン(歯を削る高速回転器具)のような振動や摩擦熱がないため、痛みや不快感が非常に少ないのが特徴です。
麻酔なしで治療できるケースも多く、歯科治療が苦手な方やお子さんにも適しています。
健康な歯質を温存
むし歯の部分だけをピンポイントで除去できるため、健康な歯質を無駄に削ることなく、最大限に温存できます。
削る音がしない
タービンの「キーン」という音がなく、静かな環境で治療を受けられます。
早期虫歯の治療に最適
浅い虫歯や初期の虫歯に対して特に効果を発揮します。
マイクロスコープ:肉眼では見えない世界を可視化する「歯科用顕微鏡」

歯科治療は、非常に繊細で精密な作業です。しかし、肉眼では見ることができない小さな部位も多く存在します。
そこで当院では、歯科用マイクロスコープ(実体顕微鏡)を導入し、治療部位を最大20倍以上に拡大して観察しながら治療を行っています。
マイクロスコープの導入により、必要以上に削らず、最小限の処置で済ませられます。
また、治療中の映像をリアルタイムでモニターに映し出すこともでき、患者さんの治療への理解と納得度を深め、不安を軽減することもできます。
マイクロスコープは、まさに「治療の質を可視化する」重要なツールであり、ひろ歯科の精密な低侵襲治療を支える柱となっています。
特徴とメリット
精密な診断と治療
肉眼では見えないような、小さなむし歯や歯の亀裂、根管の複雑な形状などを鮮明に確認できるため、より正確な診断と精密な治療が可能になります。
健康な組織の温存
患部を拡大して確認できることで、健康な歯質や神経を傷つけるリスクを最小限に抑え、低侵襲治療の精度を向上させます。
治療の成功率向上
根管治療や、歯の破折治療など、肉眼では困難な治療において、治療の成功率を飛躍的に高めます。
患者さんとの情報共有
治療中の映像をリアルタイムでモニターに映し出すことができるため、患者さんご自身もご自身の歯の状態や治療の進行状況を確認できます。
これにより、治療への理解と納得度を深め、不安を軽減します。
インフォームド・コンセントだけでなく、患者さんの治療へのモチベーション向上にも繋がると考えています。
治療の記録
治療中の全てのプロセスを動画で記録できるため、客観的な治療記録として、今後の治療計画や学会発表などにも活用しています。
歯科用CT:立体的な情報で「見えない」部分も正確に把握

従来のレントゲン写真では、歯や顎の骨を二次元(平面)でしか見ることができませんでした。
しかし、歯科用CTは、三次元(立体)の画像情報を提供することで、より詳細な診断を可能にします。
根管の形や炎症の位置、神経との距離などを正確に把握できるため、必要な治療を的確に行えます。
無駄に削ったり開けたりせず、治療範囲を最小限に抑えることで、身体への負担を減らします。
インプラント治療の安全性向上はもちろんのこと、一般的なむし歯や歯周病、根管治療、顎関節症の診断など、幅広い歯科治療において見えない部分を「見える化」し、低侵襲で質の高い治療を支えています。
特徴とメリット
精密な診断
歯や顎の骨、神経、血管などの位置関係を立体的に把握できるため、肉眼では見えない炎症や病巣、骨の状態などを正確に診断できます。
安全な治療計画
インプラント治療や親知らずの抜歯、根管治療などにおいて、神経や血管の走行を事前に把握することで、手術の安全性を高め、偶発症のリスクを軽減します。
低侵襲な治療に貢献
詳細な情報を得ることで、必要最小限の切開や処置で済むようになり、患者さんの身体への負担を軽減します。
多角的な視点
骨の密度や形態、病巣の広がりなどを様々な角度から確認できるため、より的確な治療計画を立案できます。
口腔内スキャナー(IOS):型取りの不快感を軽減する「快適」なデジタル型取り

口腔内スキャナーは、歯を削った後の型取りをデジタルで行う最新機器です。
従来の歯の型取りは、粘土のような材料を口の中に入れるため、「気持ち悪い」「オエっとなる」といった不快感を覚える患者さんが少なくありませんでした。
口腔内スキャナーを使用することで、たった数分のスキャンだけで精密な補綴物(被せ物や詰め物)を作製可能になります。
調整や再治療のリスクを減らし、歯にかかる負担も少なく済みます。快適で正確な、これからの低侵襲補綴の形です。
特徴とメリット
型取りの不快感解消
口腔内スキャナーは、小型カメラのような機器をお口の中に入れるだけで、数分で歯の形を正確にスキャンし、デジタルデータとして取得します。従来の型取り材による不快感がほとんどありません。
精密な型取り
非常に高精度なスキャンが可能であり、歯の細部まで正確にデジタルデータ化できます。
これにより、詰め物や被せ物、インプラント上部構造などの適合精度が向上し、より長持ちする修復物を提供できます。
治療期間の短縮
デジタルデータは、その場で確認でき、技工所へのデータ送信も瞬時に行えるため、治療期間の短縮に繋がる場合があります。
環境への配慮
従来の石膏模型が不要となるため、廃棄物の削減にも貢献します。
患者さんとの情報共有
スキャンしたデータをすぐにモニターに表示できるため、ご自身の口腔内の状態をより具体的にイメージでき、治療内容の理解が深まります。