根管治療
- Q根管治療は痛いですか?
- A治療の際には局所麻酔をしっかりと行いますので、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。当院では、麻酔時の痛みにも最大限配慮しております(表面麻酔、電動麻酔器、極細針の使用など)のでご安心ください。
- Q根管治療は保険適用ですか?
- Aはい、当院で行う根管治療は、基本的に全て保険診療で行っております。高額な自費診療を選択することなく、質の高い精密な治療を受けていただけます。
- Q根管治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
- A歯の根の状態や感染の度合い、根管の複雑さによって異なります。通常は数回の通院が必要となりますが、症状や病変の大きさによっては数ヶ月かかることもあります。治療計画時に目安の期間をご説明いたします。
- Q根管治療後も痛みが出ることがありますか?
- A治療後、一時的に軽い痛みや違和感が生じることがありますが、ほとんどの場合は数日で治まります。これは治療による一時的な炎症反応であり、心配はいりません。ただし、痛みが続く場合や、強い痛みが生じた場合は、すぐにご連絡ください。
- Q治療後の歯は、どれくらい持ちますか?
- A根管治療が成功し、適切な被せ物(クラウン)が装着され、その後の口腔ケアと定期的なメインテナンスがしっかり行われれば、治療した歯を長期間使い続けることが可能です。当院では、治療後のメインテナンスも重視し、歯の寿命を延ばすお手伝いをいたします。

「歯がズキズキ痛む、何もしていなくても痛い…」
「冷たいものや熱いものがしみるのが続く…」
「歯ぐきが腫れて、膿が出ることがある…」
「以前治療した歯なのに、また痛くなってきた…」
「もう抜くしかないって言われたけど、諦めたくない…」
このような症状に心当たりはありませんか?
もし一つでも当てはまるなら、それは歯の根の中、つまり「根管(こんかん)」に問題が起きている可能性があります。
根管の炎症や感染を放置すると、最終的には大切な歯を失ってしまうことにも繋がりかねません。
ひろ歯科では、「精密根管治療」を通して、可能な限り歯を「抜かない」ための最善を尽くしています。
当院は、根管治療を基本的に全て保険診療で行っており、患者さまの経済的負担を抑えながら、質の高い治療を提供しています。
「根管治療」とは?〜歯の根の「細菌」との戦い〜

根管治療とは、むし歯が歯の神経(歯髄)まで進行して炎症を起こしたり、感染してしまったりした場合に、歯の根の中にある細い管(根管)から、感染した神経や細菌を徹底的に除去・清掃し、無菌状態にして薬剤を詰めることで、歯を抜かずに保存するための治療です。
歯の「根の治療」とも呼ばれます。
なぜ「根管治療」が必要なのか?

歯の内部には、歯髄と呼ばれる神経や血管が通る組織があります。
むし歯が進行し、この歯髄まで細菌が感染すると、強い痛みや歯ぐきの腫れ、膿などの症状を引き起こします。
歯髄が死んでしまった場合でも、根管内に残った細菌が炎症を慢性化させ、放置すると歯の根の周りの骨が溶け、最終的には歯を支えきれなくなり抜歯に至ってしまいます。
根管治療は、細菌の感染源を取り除き、根管内を清掃・消毒することで、歯の寿命を延ばし、ご自身の歯を残すための最後の砦となる治療です。
根管治療が必要になる主なケース
深いむし歯
むし歯が深く進行し、歯の神経(歯髄)まで細菌が到達し、炎症や感染を起こしている場合。
歯髄炎・歯髄壊死
歯の神経が炎症を起こしている(歯髄炎)か、すでに死んでしまっている(歯髄壊死)場合。
根尖性歯周炎
歯の根の先に膿が溜まったり、骨が溶けたりしている状態(根尖病変)で、痛みや腫れ、膿が出るなどの症状がある場合。
再根管治療
以前に根管治療を受けた歯が、再び感染して痛みや症状が出ている場合。
前の治療で取り残された細菌や、根管内の形態が複雑で治療が不十分だった場合に起こります。
なぜ「精密な根管治療」が重要なのか?

根管は、非常に複雑で個人差が大きい構造をしています。
肉眼では見えないほど細く、曲がりくねっていたり、枝分かれしていたりするため、通常の治療器具だけでは、根管の隅々まで完全に細菌を取り除くことが非常に困難です。
治療が不十分だと、感染源が残り、再発や症状の慢性化に繋がり、最終的には抜歯になってしまうリスクが高まります。
そのため、「精密さ」が根管治療の成功には不可欠なのです。
ひろ歯科の「精密根管治療」へのこだわり
ひろ歯科では、歯を一本でも多く残すために、最新の医療機器と口腔外科で培った専門知識・技術を最大限に活用し、徹底した「精密根管治療」を行っています。
そして、これらの高度な治療を基本的に全て保険診療で行うことで、患者さまの負担を軽減し、質の高い歯科医療を提供しています。
「口腔外科出身」の院長による高い専門性と経験

当院院長は、大学病院の口腔外科に長年勤務し、歯周組織、顎骨、そして歯の根の病変に関する豊富な知識と治療経験を積んできました。
根管治療は、歯の内部の微細な構造を理解し、感染源を徹底的に除去する外科的要素の強い治療です。
当院では、他院では抜歯と診断されたような難症例(根の先に大きな病変がある、過去の治療で器具が折れているなど)に対しても、外科的アプローチ(歯根端切除術など)を駆使し、歯を残すための最善を尽くします。
「肉眼では見えない」世界を診る精密機器の活用

根管治療の成功には、肉眼では捉えきれない根管内部を正確に確認し、操作する能力が不可欠です。
当院では、肉眼の最大20倍程度にまで視野を拡大することが可能なマイクロスコープや約2〜4倍に視野を拡大できるルーペ型の拡大鏡を使用し、より精密な治療を行っております。
詳細な観察
肉眼では見えない根管の入り口、枝分かれした側枝、亀裂、異物などを鮮明に確認できます。
正確な操作
複雑な根管内部の清掃や形成、薬剤の充填を、高い精度で行うことができます。
治療の成功率向上
感染源の取り残しを最小限に抑え、治療の成功率を飛躍的に高めます。
再根管治療の精度向上
過去の治療で残された感染物質や、折れた器具の除去など、再治療の精度も向上させます。
歯科用CT(コーンビームCT)

根管は一本の歯に複数存在し、その位置や形態は人それぞれ異なります。
通常のレントゲンでは二次元でしか確認できませんが、歯科用CTを使用することで、三次元的に根管の構造、病変の広がり、周囲の骨の状態などを詳細に把握できます。
CTによる精密診断は、難症例の根管治療において、より安全で確実な治療を行うための羅針盤となります。
根管の正確な位置特定
複雑に曲がった根管や、見えにくい根管の位置を正確に特定します。
病変の立体的な評価
根の先の病変(嚢胞など)の大きさや範囲、周囲の骨への影響を立体的に把握し、適切な治療計画を立てます。
治療中の偶発症リスク低減
歯の根の周りにある神経や血管との位置関係を確認し、治療中の偶発症のリスクを最小限に抑えます。
「ラバーダム防湿」による無菌的処置の徹底(必要に応じて)

根管治療の最も重要なポイントの一つは、治療中に根管内に唾液や口腔内の細菌が侵入するのを防ぎ、「無菌的環境」を保つことです。 当院では、必要に応じて「ラバーダム防湿」を行います。
細菌の侵入防止
治療する歯だけをゴムのシートで隔離することで、唾液や細菌の侵入を完全にシャットアウトします。
治療野の確保
治療部位が乾燥し、術野がクリアになるため、マイクロスコープなどを用いた精密な処置をより確実に行うことができます。
使用薬剤の安全性向上
根管洗浄に用いる薬剤が、口腔内に漏れ出すのを防ぎ、患者さまの安全性を高めます。
最新の器具と材料による精度の高い治療
MTAセメントによる根管充填

根管内の清掃・消毒が終わった後、再感染を防ぐために、根管の中にMTAセメントという特別な材料を充填します。
生体との親和性が高く、アレルギー反応などのリスクが低い安全な材料です。
根管の複雑な形態にも密着し、細菌の侵入経路を強力に封鎖します。
また、歯の硬組織(象牙質やセメント質)の再生を促す効果も期待できます。
ニッケルチタンファイル

根管の内部を清掃・形成するために使用する、しなやかな特性を持つ特殊なファイルです。
従来のステンレス製のファイルに比べて柔軟性が高く、複雑に曲がった根管でも、根管の自然な形態を維持しながら効率的に清掃・形成が可能です。
柔軟性があるため、ファイルが根管内で折れるリスクを低減します。
超音波洗浄
根管の内部をより徹底的に洗浄するために、超音波洗浄器を併用します。
超音波の微細な振動により、根管の壁に付着した汚れや細菌を剥がし、洗浄液の効果を高めます。
複雑な根管の隅々まで洗浄液を浸透させ、細菌を効果的に除去します。
ファイバーコア

根管治療後、歯の失われた部分を補強するために、土台(コア)を立てます。
当院では、柔軟性に優れたファイバーコアを主に採用しています。
ファイバーコアは、歯のしなりに近い弾性を持つため、歯に無理な力がかかりにくく、歯の破折リスクを低減します。
また、透明感があるため、上部に装着するセラミックなどの被せ物と色調が調和し、より自然で美しい仕上がりになります。
高周波治療器「Root ZX3」による根尖殺菌

ひろ歯科では、高周波治療器「Root ZX3」を導入し、根管治療の精度をさらに高めています。
根管内の細菌を効率的に死滅させるために、高周波の電気エネルギーを根管内に通電させます。
これにより、通常の洗浄や消毒だけでは除去しきれない細菌も効果的に殺菌し、感染の再発リスクを低減します。
根管内の無菌化を強力にサポートし、治療の成功率を向上させるための重要な機器です。
他院で断られた「難症例」にも対応する口腔外科的アプローチ
私自身の口腔外科での豊富な経験を活かし、一般的な根管治療だけでは歯を残すことが難しいと診断された「難症例」に対しても、外科的なアプローチで対応することが可能です。
これらの外科的処置は、私自身の口腔外科での豊富な経験と、CTによる精密診断を基に、安全かつ確実に行います。
歯根端切除術

根管治療を繰り返しても治らない根の先の病変(膿の袋など)が大きく、通常の治療では改善が見込めない場合に行う外科手術です。
歯の根の先端にある病変部分を外科的に切除し、感染源を直接除去します。
切除した根の先端にMTAセメントなどの材料を充填し、根管内からの細菌の漏洩を防止します。
歯根端切除術は、歯を抜かずに根の先の病変を治療し、歯を保存するための有効な手段です。
口腔外接着再植法(意図的再植法)
根管の構造が複雑すぎて、通常の根管治療では対応が困難な場合や、歯根端切除術が難しい位置にある場合などに検討される方法です。
歯を一時的に抜歯し、口腔外でマイクロスコープなどを使い、肉眼で直接根管を観察しながら、徹底的に感染源を除去し、根管充填を行います。
処置が終わった歯を、元の位置に戻し、固定します。
通常の根管治療では難しい複雑な病変にも対応でき、歯を抜歯せずに保存できる可能性が高まります。
ヘミセクション/トライセクション(分割抜歯)
複数の根を持つ歯(大臼歯など)の根の一部にだけ病変が進行しており、他の根は健康な場合に検討される方法です。
感染している根の部分のみを外科的に切除し、健康な残りの根と歯を保存します。
歯の一部は失われますが、歯全体を抜歯するのを避け、残った健康な部分を有効活用できます。

よくあるご質問